チーターとガゼルの「がんばらない経済ニュース」【メディアに流れる専門家の解説について】

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みなさんこんにちは。動物界の経済ニュースを斜め上からぶった斬る「がんばらない経済ニュース」、今週も始まりました。司会のガゼルです。

こんにちは。経済評論家のチーターです。好きな言葉はボラティリティです。よろしくお願いします。

ではチーターさん、さっそく先週の市場動向から振り返っていきましょう。
先週のサバンナ株式市場は今年の最高値を更新しましたね。この原因と、今後の見通しをお願いします。

はい、昨日は大変な好況でしたね。
マサイマラ地域に生息している草食動物・ヌーの数を示す「ヌー統計」の最新の数値が昨日発表され、前月比+13.5%の115万頭と、市場の予測を大幅に上回る結果となりました。このことが好材料になり、肉食動物を中心とした個人投資家に大きく買いが入ったと見られます。

……チーターさん、ヌー統計が上がると、どうして市場によい影響を与えるんですか?

草食動物の数が安定して増えれば肉食動物の生活も安定して、その分の余剰資金が市場に回りますからね。

なるほど。これは、草食動物よりも肉食動物の方が、投資思考が強いということも言えますか。

その通りです。副業ブームに乗って、狩りと投資の二足の草鞋を履く二刀流スタイルが浸透してきている現れと言えるかもしれませんね。

街の投資家にも、話を聞きました。

「もし相場が下落してもヌーが沢山いるなら食糧に困ることはないので、以前よりも積極的にリスクを取りに行くことができます」
「自分は草食動物ですが、これだけヌーが増えてくれれば自分がやられる確率も下がって平均寿命が伸びそうです。老後資金のためにも投資を始めようと思います」

投資家の受け止め方は概ね良好なものとなっていますね。

それではチーターさん、今後の市場の見通しはいかがですか?

はい、特にここ最近のヌー統計は3ヶ月連続プラス幅で推移しているので、今後の株価にも好影響が期待されます。

チーターさん、このヌー統計についても、もう少し詳しく教えてください。

このヌー統計は、毎月第一金曜日に発表される大事な統計です。アメリカのGDP、雇用統計と並んで、世界3大重要指標ですので、ぜひ意識してください。

ちなみに、どの機関がどうやって調べてるんですか?

直接目視で確認してます。私が。

(そんな雑な指数でいいんだ……)

げふう。

(絶対食べたな……)

それでは、次の経済ニュースです。
サバンナ地域で先週から表面化しているトムソンガゼルの群れ同士の抗争が、少しずつ株価に影響しはじめているようです。同じガゼルとして、抗争は不安ですね。

そうですね、早く落ち着いてほしいものです。

チーターさん、今後の経済に与える影響はどのようにお考えですか?

はい、周辺地域の緊張が高まっており、もし仮に衝突が起これば地政学的なリスクから短期的な相場の下落は避けられない見通しです。
しかし、もし抗争が長引いた場合は、長期的には株価によい影響を与えるのではないかという見方も、一部のエコノミストから出ています。

なるほど、それは興味深い意見ですね。

ここはぜひ注目してほしい点なんですが、ガゼルの群れ同士の抗争のしかたに、ポイントがあるんです。

私もガゼルなので興味があります。ぜひ解説をお願いします。

縄張りの境界線でガゼルのオス同士が衝突すると、抗争になります。今回もこちらのケースです。しかし、実際の攻撃はほとんど起こりません。

と、言いますと?

ガゼルの抗争では互いに威嚇したり、相手に向かって突進したりはしますが、ぶつかるスレスレの段階で止めるためにお互いを直接攻撃したり、傷つけあうことはないんですね。
分かりやすい言い方をすれば、ガゼルの抗争は地方のヤンキー同士のケンカのようなものだと考えてください。

なるほど、ガゼル同士の争いは、どちらが強そうに見えるかの「見せかけ」で決まるということですね。

このため、ガゼル同士の抗争が長引いてくると、強そうに見えるファッションだとか、武器として使用したら痛そうなものの需要が大きく高まるんですね。

さっそく抗争地域のガゼルにも、先ほど電話インタビューでお話を伺いました。

「抗争で相手になめられないようにサングラスを購入しました。これから髪をリーゼントにして剃り上げます」
「威嚇用に木刀とメリケンサックを買いましたが、これだけでは強そうに見えないのでスタンガンを通販で買う予定です」

このように、抗争の構造がヤンキーの喧嘩と同じなんですね。
したがって、抗争が長期化するほど、小売業やアパレルを中心とした銘柄に好影響を与えるのではないかと期待されています。

なるほど、よく分かりました。

ところでガゼルさんはこの抗争、参加しないのですか?

ぼくは混ざれないんです、本当にやっちゃうから。

それでは、次回もタメになる経済ニュースをお届けします。また来週!

さようなら~。

※この話は投資知識を元にしたフィクションです。投資およびニュース番組の運営は自己責任でお願いします。
※上記はたとえ話ですが、チーターさんのように相場の解説や見通しはどうにでも後付けできるので、情報は鵜呑みにせずぜひ自分の頭で解釈してくださいって、今回出番のないよっしーが言ってました。
※上記はたとえ話ですが、実際のガゼル同士の抗争でもお互いが攻撃を行うことはありませんので万一遭遇してもご安心ください。なお、威嚇などの行動が終わった後にはお互いに自分の縄張りにマーキングをして立ち去るそうです。

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